塩野義製薬は1日、 米国Apnimed社(本社:米国)と睡眠障害における課題解決を目的とした合弁会社「Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC」を設立すると発表した。
塩野義製薬は、中期経営計画「STS2030 Revision」における重要課題として「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げている。その中でQOLに重大な影響を及ぼし、未解決のまま解決されず、高齢化により将来的にさらに大きな影響が予測される社会的影響度の高い疾患に対する研究開発を進めている。
深刻な睡眠障害である閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea、OSA)はこのような疾患の一つだ。米国で4500万人以上が罹患し、世界中でさらに数億人が影響を受けていると推定されている。
OSAは、高血圧、糖尿病、心血管疾患、脳卒中などその他の慢性疾患につながることや労働生産性を損なうことが指摘されている。
また、OSAを未治療のままにしておくと寿命が著しく低下することも示唆されている。診断された患者の大部分は持続気道陽圧療法(CPAP)などの陽圧療法装置が中心となっているが、アンメットニーズは依然として高く、有効で安全かつ利便性の高い治療薬が望まれている。
塩野義製薬は、OSAをはじめとした睡眠障害におけるアンメットニーズを満たすという強いコミットメントとともに、補完的な能力を有しているため、睡眠障害における卓越した専門知識を有する臨床段階の製薬企業であるApnimed社と合弁会社「Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC」を設立することに合意した。
合弁会社は、当社の有する低分子創薬力とBest-in-classの化合物創出力、およびApnimed社の有する経験豊富な臨床段階の創薬チーム、睡眠障害の医療に関する臨床施設との強固なネットワークを含むOSA領域における高度な知見や優れたトランスレーショナルリサーチを合わせる。
それにより、この合弁会社は両社の協力なしでは実現できないより迅速なOSAの有望なソリューションの創造を目指す。
合弁会社には両社が50%ずつ出資する。なお、Apnimed社の最も進行している開発パイプラインであるAD109(P3相)とAD504(P2相)はこの合弁会社の事業には含まれていない。合弁会社の概要は、次の通り。
1、名称:Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC
2、本社所在地:米国マサチューセッツ州
3、事業内容:医薬品の研究・開発
4、設立年月日:2023年11月1日(予定)
5、出資比率:塩野義製薬 50%、Apnimed社 50%