第一三共は23日、DS-6000(R-DXd、抗CDH6抗体薬物複合体[ADC])について、前治療歴のある進行性卵巣がんを対象としたP1試験サブグループ解析の最新データを公表した。
同データは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表したもので、有効性については、化学療法による前治療歴のある進行性卵巣がん患者(4.8~8.0mg/kg投与群)50名において、客観的奏効率は46%(完全奏効1名、部分奏効22名)であった。
また、病勢コントロール率は98%、奏効期間の中央値は11.2ヵ月、無増悪生存期間の中央値は7.9ヵ月であった。
安全性については、同試験においてこれまでに報告された結果と同様の傾向であった。対象患者(60名)において、グレード3以上の同剤と関連のある有害事象は、貧血(18.3%)、好中球減少(11.7%)等が認められた。
間質性肺疾患(ILD)については、ILD外部判定委員会により、グレード2の2名および中止済みの高用量(8.0mg/kg)投与群のグレード5(死亡)の2名が本剤と関連のあるILDと判定された。
第一三共は、卵巣がん患者さんに新たな治療の選択肢を提供できるよう、同試験結果に基づき、同剤の開発を加速していく。