小野薬品は24日、Turbine社(英国)と、がん領域における新たな治療標的の同定および検証を目的とした研究提携契約を締結したと発表した。
Turbine社は細胞シミュレーション技術を用いて医薬品の研究開発を支援するコンピューテーショナルバイオロジー企業。
同契約に基づき、Turbine社は、同社のAI駆動型細胞シミュレーション技術であるSimulated Cellによりがん領域における新たな治療標的を見い出し、その作用機序の解明および動物モデルでの検証試験を実施する。
小野薬品は、Turbine社が同定した治療標的に対する医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化する。
また、小野薬品は契約一時金、研究費、Turbine社による標的同定および検証の進捗に応じたマイルストン、ならびに当社による医薬品の開発の進捗および売上高に応じたマイルストンをTurbine社に支払う。
◆滝野 十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
当社は、従来のアプローチでは見出すことのできない新規治療標的の同定を可能とするTurbine社のAI駆動型細胞シミュレーションプラットフォームを高く評価している。Turbine社が提供する標的の作用機序やバイオマーカーに関する情報は当社の医薬品開発のスピードを加速させるのに役立つ。
今回の提携により、当社のがん領域の開発パイプラインを拡大し、患者さんの治療ニーズを満たし得る新たな治療選択肢を届けられるように取組んでいく。
◆Szabolcs Nagy Turbine社最高経営責任者兼共同設立者のコメント
小野薬品は、免疫チェックポイント阻害剤であるオプジーボを創製するなど、革新的ながん治療薬を開発してきた歴史を持っている。
我々の最先端の細胞シミュレーション技術によって新規の標的の発見が可能となり、小野薬品のパイプライン拡充に貢献できると考えている。Simulated Cellsと独自の検証試験を組み合わせることで私たちのコンピュータ予測を実証するとともに、より予測精度の高いヒト細胞シミュレーションモデルの構築を推進する機会が得られたことをうれしく思う。