早稲田大学と島津製作所は1日、「早稲田大学島津連携ラボ」を早稲田大学リサーチイノベーションセンターに開設したと発表した。
連携ラボでは、天然由来の未知化合物の同定フローの構築を目指す。これまで困難であった天然化合物の探索・同定を迅速に行うことで、新たな医薬品や機能性食品、化成品の創出につなげる。
微生物や植物が生み出す天然化合物は、自然界に無数に存在する。それぞれが特徴的な構造を持ち、医薬や化学、食品など幅広い分野での活用が期待されている。
構造が多種多様であることから、新たな天然化合物を探索し同定することは困難であった。「ラマン分光法」は、分子構造の違いを判別し、「質量分析法」は分子組成を測定する。
同連携ラボでは、両手法を組み合わせ未知の天然化合物を素早く同定する測定フローを確立する。新たな天然化合物の探索および同定の迅速化により、医薬品や食品・化成品における研究開発の発展を支援する。
早大竹山研と島津製作所は2022年より共同研究に取り組んできた。また、2020年8月に早稲田大学、堀場製作所と計測機器「LC-Ramanシステム」の開発を開始し、翌2021年6月から同製品を販売している。両者は、今後も様々な企業・研究機関とのオープンイノベーションを通じ、人々の安全と健康を守るヘルスケアや製薬などのライフサイエンスの発展に貢献していく。