武田薬品は26日、血友病A治療薬「アディノベイト静注用キット」について、「用法及び用量」に関する一部変更承認を取得した発表した。
今回の承認は、主に国際共同P3試験(NCT01945593試験)および海外P3試験(NCT02585960試験)の試験成績に基づくもの。この承認により、患者の臨床状態や活動レベルに応じ、投与量だけではなく投与間隔を含む用法及び用量を調整することで、最適な定期投与による個別化治療が期待される。
血友病は生涯にわたる先天的な出血性疾患で日本では、6000人弱の血友病A患者がいると報告されている 。血友病患者は、出血を抑制するために血中に自然に分泌されるタンパク質である血液凝固因子を十分に保有していないため、健康な人よりも止血するまでに時間がかかる。
また、血友病においては、繰り返す関節内出血が関節症を形成し、さらに頭蓋内出血の場合は重篤な身体機能不全を生じるケースもあるため、1回の出血が患者に与える影響は大きく、出血予防の意義は大きいと考えられている。
近年の血友病治療においては、定期投与を実施し、患者の出血予防のみならず、血友病ではない人と同程度のQOL達成も目指した治療が新たなテーマとなっている。
こうした中、これまでのアディノベイト静注用キットの用法・用量は、「同剤を添付の溶解液5mLで溶解し、緩徐に静脈内に注射する。なお、10mL/分を超えない速度で注入すること。通常、1 回体重1kg 当たり10~30 国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。定期的に投与する場合、通常、成人及び12 歳以上の小児には、1 回体重1kg 当たり40~50 国際単位を週2 回投与する。
12 歳未満の小児には、1 回体重1kg 当たり40~60 国際単位を週2 回投与する」とされていた。
今回、この用法・用量に加えて、「患者の状態に応じて、1 回体重1kg 当たり40~50 国際単位を2 日間隔、1 回体重1 kg 当たり40~80 国際単位を3~7 日間隔で投与できる。ただし、投与間隔を4~7 日間隔に延長する場合は、一定期間出血が認められないことを確認のうえで、5 日間隔投与まで、さらに7 日間隔投与まで段階的に延長すること。
12歳未満の小児には、患者の状態に応じて、1回体重1kg 当たり40~60 国際単位を2 日間隔、1 回体重1 kg 当たり40~80 国際単位を3~4 日間隔で投与できる。ただし、投与間隔を4 日間隔に延長する場合は、一定期間出血が認められないことを確認のうえで延長すること」が認められるようになった。