iPS細胞バンキング企業アイ・ピース(I Peace)アドバイザリーボードメンバーの田中紘一氏が、6月21日~24日に開催された欧州肝臓学会国際肝臓会議において、イノベーション・アワードを受賞した。
同賞は、肝臓移植の大変革の主唱者として新しい療法の果たす役割を予測し、病態生理学上の深い洞察を通じ肝臓移植の劇的な変化を主導したことに対して贈られたもの。欧州肝臓学会では、授賞理由として次の点を挙げている。
◆2005年に京都大学を退官するまでの間に、1000例以上の生体肝移植を自らおこなった。
◆マイクロサージェリーの導入による生体肝移植中の小動脈再建精度向上
◆最適GRWR(グラフト重量/レシピエントの体重との比率)の概念の構築
◆GRWRとグラフト生存率との関係についての研究促進
◆生体肝移植におけるマルチ媒介変数に基づく予測医療の先駆け
◆肝臓の血流力学における血液の排出と流入・流出のバランスの重要性への着目
◆過少グラフトが引き起こす問題防止のための血液流入量調節アプローチ
◆小児肝移植における過大グラフトへのドナー/レシピエントの体重比の概念の適用
◆肝移植レシピエントの臨床管理に関する様々な研究と臨床管理法の開発
田中紘一氏はこれまでも研究・臨床の双方における深い経験と洞察力を生かし、アイ・ピースの将来に向けた技術開発の方向性や品質保証の留意点などについて医療の観点からアドバイスを提供してきた。今回の受賞を機に、田中氏の持つ世界的ネットワークを活用し、アイ・ピースはグローバルマーケットにおける細胞医療のさらなる発展に寄与・貢献していく。