ダトポタマブ デルクステカンとペムブロリズマブ併用療法 非小細胞肺がんのP1b試験で好結果 第一三共とアストラゼネカ

 第一三共株とアストラゼネカは6日、ダトポタマブデルクステカン(抗TROP2抗体薬物複合体、ADC)とペムブロリズマブ(免疫チェックポイント阻害剤)の併用療法について、非小細胞肺がんを対象としたP1b試験で好結果を示したと発表した。
 Actionable遺伝子変異のない再発・進行性の非小細胞肺がんを対象としたP1b試験(TROPION-Lung02)の最新データを公表したもので、その概要は現在開催中の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2023)で報告される。
 TROPION-Lung02は、有効性についてダトポタマブデルクステカンとペムブロリズマブとの2剤併用群61名において、客観的奏効率は38%、無増悪生存期間の中央値は8.3ヵ月、病勢コントロール率は84%であった。
 ダトポタマブ デルクステカンとペムブロリズマブおよびプラチナ製剤との3剤併用群71名においては、客観的奏効率は49%、無増悪生存期間の中央値は7.8ヵ月、病勢コントロール率は87%であった。
 また、前治療歴のない患者における客観的奏効率は、2剤併用群34名において50%、3剤併用群53名においては57%で、病勢コントロール率は両群ともに91%であった。
 安全性については、新たな懸念は認められなかた。グレード3以上の薬剤と関連のある有害事象は、2剤併用群において31%、3剤併用群では58%の患者にみられた。
 間質性肺疾患(ILD)については、27名がILD外部判定委員会により薬剤と関連のあるILDと判定されたが、大部分が低グレードであり、グレード3が4名、グレード4~5は認められなかった。
 第一三共とアストラゼネカは、Actionable遺伝子変異のない非小細胞肺がん治療に新たな選択肢を提供できるよう、同試験結果に基づき、現在進行中のP3相臨床試験(TROPION-Lung07およびTROPION-Lung08等)を通じてダトポタマブ デルクステカンとペムブロリズマブとの併用療法の開発を加速させている。

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