フォシーガ 米国で心血管死・心不全による入院リスク低減等の適応拡大取得 アストラゼネカ

 アストラゼネカは17日、フォシーガについて、米国で成人の心不全患者の心血管死、心不全による入院、および心不全による緊急受診のリスク低減に対する承認を取得したと発表した。
 FDAによる同承認は、P3相 DELIVER試験の良好な結果に基づくもの。フォシーガはこれまでに、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の成人患者治療薬として米国で承認を取得している。
 心不全は慢性かつ長期的で、時間の経過とともに悪化する疾患であり、米国では約700 万人が罹患している。また、65 歳以上の入院理由として最も多い疾患でもあり、臨床的および経済的にも大きな負担となっている。
 心不全の患者全体の約半数は、駆出率が軽度低下した(HFmrEF)、または保持された状態(HFpEF)であるが、これらの患者は大きな死亡や入院のリスクだけでなく、症状や身体的制限が特に大きく、生活の質が低下する。
 The New England Journal of Medicine に掲載された第 III 相 DELIVER 試験のデータから、フォシーガが、駆出率が軽度低下または駆出率が保持された心不全患者において、心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目に関して統計学的に有意かつ臨床的に意義ある早期の抑制を達成したことが示された 。
 Nature Medicine に掲載されたP3相 DAPA-HF試験およびP3相DELIVER試験の事前に規定された統合解析の結果では、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診の複合評価項目に対するフォシーガの治療効果が左室駆出率を問わず一貫していたことを確認。同剤は、死亡率の改善が実証された最初のナトリウム・グルコース共輸送体 2(SGLT2)阻害剤として確立された 。
 P3相DAPA-HF試験およびP3相DELIVER 試験におけるフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致していた。
 フォシーガは、米国、EU、中国、日本など、世界100カ国以上で、2型糖尿病、駆出率低下を伴う心不全(HFrEF)および慢性腎臓病(CKD)の治療薬として承認されている。直近では、EU、英国、日本およびトルコにおいて、左室駆出率を問わず全ての心不全を対象に適応拡大の承認を取得している
 なお、同件に関して、日本では本年1月10日に電子化された添付文書が改訂された。

◆Ruud Dobberアストラゼネカバイオ医薬品事業部門担当、エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 心不全患者さんの約半数が診断されてから 5年以内に死亡してしまうため、生命予後を改善するベネフィットをもたらし、忍容性が良好で心血管死のリスクを低減できる治療選択肢が必要とされている。
 米国におけるフォシーガに対する今回の承認は、複雑かつ生命を脅かす疾患の負担軽減へのアストラゼネカのコミットメントを強めるだけでなく、あらゆる種類の心不全患者さんが、より健康的な生活を送るうえでの支援になる。

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