塩野義製薬は31日、新型コロナ経口治療薬ゾコーバについて、同日より一般流通を開始したと発表した。
ゾコーバは、2022年11月22日付で厚労省より「SARS-CoV-2による感染症」の適応で、緊急承認制度に基づく製造販売承認を取得した。同剤の緊急承認は、オミクロン株流行期に重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無によらず、幅広い軽症/中等症患者を対象に日本を中心としたアジア(韓国、ベトナム)で実施したP2/3相臨床試験のPhase 3 partの良好な試験結果に基づくもの。緊急承認以降、早期の一般流通を目指して準備を進め、本年3月15日の薬価基準収載ならびに3月31日の一般流通開始に至った。
呼吸器ウイルス感染症(インフルエンザやCOVID-19など)の基本は、早期診断・早期治療とされており、診断結果をもとに、必要とされる患者さまに適切な治療を提供することが求められている。塩野義製薬は、ゾコーバの一般流通開始にともない、31日より全国の医療機関および薬局への供給を開始することで、早期診断・早期治療の実現に資する活動を推進する。
また、引き続き、安全性情報の迅速かつ確実な収集と、医療機関に対するタイムリーな提供に取り組んでいく。
同社では、パンデミックの早期収息よる社会の安心・安全の回復に貢献するために、ゾコーバの有効性、安全性に関するエビデンスの集積に引き続き注力する。また、海外での実用化に向けた提携先との緊密な連携ならびに生産を含むグローバルサプライチェーンの強化を図り、今後も状況に変化があり次第告知し、企業としての社会的責任を果していく。