シスメックスは29日、「2023年度の年収5.0%増額」などを実施し、持続的な成長を支える人材への投資(人的資本投資)を拡大すると発表した。
人的資本投資の拡大は、グループ企業理念「Sysmex Way」の実践を通じ、生産性の向上を図り、新たな企業価値の創出、付加価値の最大化に向けて取り組むとともに、従業員が健康で安心して働ける環境の提供を目的としたもの。
シスメックスグループは、企業理念「Sysmex Way」において「多様性を受け入れ、一人ひとりの人格や個性を大切にすると共に、安心して能力が発揮できる職場環境を整える。自主性とチャレンジ精神を尊重し、自己実現と成長の機会、成果に応じた公正な処遇を提供する」を行動基準に定め、人材マネジメントを実施してきた。
シスメックスでは、2021年6月よりニューノーマルの環境下での働き方改革を推進する「Sysmex Smart Work」を導入。オフィス勤務などのリアルと自宅でのテレワークなどのリモートを組み合わせたハイブリッドワークスタイルや業務内容・個人の生活スタイルに合わせたフレックスタイム・時差出勤・中抜けなどワークライフバランスを実現できる時間活用を推進してきた。
さらに2020年4月よりシスメックスの管理専門職層にジョブ型人事制度を導入し、2021年10月より一般社員層にもジョブ型人事制度の適用を拡大した。
これらの人事施策は、従業員のキャリア志向・価値観・ライフイベントによって職務を選択できる環境を整えエンゲージメントの向上を促進するとともに、市場競争力のある報酬水準を設定し、企業の持続的な成長を支える人材マネジメントおよび人的資本への投資を推進している。
シスメックスは、マルチステークホルダー方針に基づき、今季の春季労使交渉は満額回答で早期終結し、2023年度は前年度比5.0%の増加を保証する(2022年度は対前年度比約4.2%の増加見込み)。
また、魅力ある職場の実現のために継続して労使が協力して従業員のウェルビーング・エンゲージメントの向上と企業の持続的成長を実現する人的資本経営を推進していく。春季労使交渉の概要は、次の通り。
◆競争力ある報酬水準:
・前年度比5.0%の年収の引き上げ(対象:組合員(一般社員層))
- 定期昇給・賞与支給基準額の引き上げ
- 新中期経営計画達成へのモチベーション向上と創立55周年記念として持株会等の福利厚生制度施策を用いた特別奨励金など(組合員平均約2万5000円/月相当の増額)
◆魅力ある職場の実現:
・労働時間の適正化(生産性向上、有給休暇の取得率向上など)
・事業拡大に伴う人材不足の解消(人材獲得拡大、教育の充実など)
今後も、シスメックスグループは、事業・技術の多様化、経営の高度化を支える人材が成長・活躍できる環境および各個人の価値観にあった多様な働き方を提供することで、グループ全体で人材を活かし、企業理念のミッションである「ヘルスケアの進化をデザインする」の実現とともに、持続可能な社会の実現および企業価値向上を促進していく。