ファイザーは15日、新型コロナ経口治療薬「パキロビッド」について、同、日薬価基準に収載されたと発表した。
同剤の2規格が薬価収載されたもので、薬価はパキロビッドパック600(1シート)が1万19805.50円、パキロビッドパック300(1シート)1万2538.60円。両剤は、本年3月22日からの一般流通開始を予定している。
パキロビッドパック600は。パキロビッドパックと同等の製剤で、パキロビッドパック300は中等度の腎機能障害[eGFR(推算糸球体ろ過量)30mL/min以上60mL/min未満]の患者用のパッケージとして開発された。
これにより、これまでのように腎機能障害の患者に対するニルマトレルビルの投与量を調整するために、パキロビッドパックからニルマトレルビル錠を抜き取る必要がなくなった。
同剤の有効成分ニルマトレルビルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を標的にファイザーが創製した新規化合物で、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)を阻害することにより、ウイルスの複製を抑制する。
一方、リトナビルはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性はなく、ニルマトレルビルの代謝を阻害し、その濃度を増加させる。
日本も参加している国際共同P2/3相EPIC-HR試験では、外来治療の対象となる重症化リスクの高いCOVID-19患者において、同剤はプラセボと比較して、入院または死亡のリスクを89%(症状発現から3日以内)、および86%(症状発現から5日以内)減少させることが示された。
また、有害事象の発現割合は同剤(23%)とプラセボ(24%)と同程度であり、おおむね軽度であった。
ファイザーは、一般流通開始に向けて同剤の適正使用についての情報提供を引き続き行うとともに、医療従事者専用サイトから最新情報を提供していく。