塩野義製薬は12月29日、新型コロナ経口治療薬「エンシトレルビル」(日本での製品名:ゾコーバ)について、中国正大グループの医薬品事業を担う中国生物製薬(本社:香港)子会社の正大天晴と、中国大陸における販売に関するプロモーション契約を締結したと発表した。
同契約は、塩野義製薬と中国平安(本社:中国広東省)との合弁会社である平安塩野義が正大天晴と締結したもの。正大天晴は、医薬品の研究、開発、製造および販売を行う正大グループの中国医薬品事業の中核企業で、7000人以上の学術・販売スタッフを抱え、中国全土への医薬品のプロモーション活動を実施している。
今回の契約に基づき、中国大陸の一部医療機関・薬局については平安塩野義が正大天晴と共同で、それ以外の医療機関・薬局については正大天晴が独占的にエンシトレルビルのプロモーション活動を行う。
平安塩野義は、既にエンシトレルビルの中国における新薬承認申請に向けて、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration)薬品審評中心(Center for Drug Evaluation; 以下「CDE」)へ資料の提出を開始しており、2022年11月22日の日本国内での製造販売承認取得を受け、引き続きCDEとの緊密なコミュニケーションを継続している。
また、同剤の中国国内への輸入・流通については2022年12月23日に上薬控股有限公司と契約を締結済み。塩野義製薬では、中国におけるエンシトレルビルの製造販売承認が得られ次第、正大天晴を含むパートナー企業と協力し、一日も早い安定供給を実現し、中国におけるCOVID-19治療への貢献を目指して協業を推進していく。
なお、同件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査する。