小野薬品は20日、オプジーボと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤「Opdualag」について、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが1%未満の切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として承認を取得したと発表した。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が16日に公表したもの。
ECの承認は、P2/3相RELATIVITY-047試験におけるPD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的な解析結果に基づいている。同解析では、抗PD-1抗体オプジーボと新規の抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤による併用療法が、確立された標準治療であるニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍以上に延長した。
同併用療法では、ニボルマブ単剤療法と比較して、新たな安全性シグナルは認められなかった。
ECの承認により、欧州連合の全加盟国をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、PD-L1発現レベルが1%未満の進行悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児/青年期患者のファーストライン治療薬として、Opdualagが使用できるようになる。
EUにおける適応症は、PD-L1発現レベルが1%未満の患者を対象としたRELATIVITY-047試験データの探索的解析に基づいている。解析結果は、次の通り、
◆有効性:PFSの中央値は、Opdualag群で6.7カ月(95% 信頼区間[CI]:4.7 – 12.0)、ニボルマブ単剤療法群で3.0カ月(95% CI:2.8 – 4.5)であった(ハザード比[HR]0.68(0.53, 0.86)。生存期間の中央値は、Opdualag群で未達であった(HR 0.78(0.59, 1.04)。
◆安全性:多く報告された副作用は、疲労(41%)、筋骨格痛(32%)、発疹(29%)、関節痛(26%)、下痢(26%)、そう痒症(26%)、頭痛(20%)、悪心(19%)、咳嗽(16%)、食欲減退(16%)、甲状腺機能低下症(16%)、腹痛(14%)、白斑(13%)、発熱(12%)、便秘(11%)、尿路感染症(11%)、呼吸困難(10%)、嘔吐(10%)であった。
多く報告された重篤な副作用は、副腎機能不全(1.4%)、貧血(1.4%)、背部痛(1.1%)、大腸炎(1.1%)、下痢(1.1%)、 心筋炎(1.1%)、肺炎(1.1%)、尿路感染症(1.1%)であった。
グレード3~5の副作用の発現率は、Opdualag群で43%、ニボルマブ単剤療法群で35%であった。
RELATIVITY-047試験では、主要評価項目である全無作為化患者集団のPFSも達成した。
◆BMSエグゼクティブ・バイスプレジデント、最高医療責任者兼グローバル医薬品開発担当のSamit Hirawat(M.D.)氏のコメント
Opdualagは、進行悪性黒色腫に対してEUで承認された最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法である。RELATIVITY -047試験では、新たな免疫療法薬の併用療法によって、LAG-3およびPD-L1の両方を阻害することの重要なベネフィットが示された。
今回の承認は、悪性黒色腫の成人および小児/青年期患者さんに革新的な医薬品をお届けするための我々の継続的な取り組みによるものである。これまでの進展にご貢献いただき、今回の承認の実現にご尽力いただいた患者さん、研究者および医師に心より感謝を申し上げたい。