米国での再生可能エネルギー推進でEnel社とバーチャル電力販売契約締結 武田薬品

 武田薬品は20日、米国における再生可能エネルギーの推進に向けてEnel社との長期的なバーチャル電力購入契約(virtual power purchase agreement、VPPA)を締結したと発表した。
 Enel社のセブン・カウボーイ・ウィンド・プロジェクトの79メガワット(MW)分から電力グリッドに送出される電力について、VPPAを締結したもの。
 同契約は、2025年度までにスコープ1および2の温室効果ガス(GHG)排出量を40%削減するという目標の達成と、2035年度までにスコープ1および2のGHG排出量ネットゼロ1の達成を後押しする。
 VPPAは、再生可能エネルギーについての長期的な双務契約であり、武田薬品はこの戦略的手段を通じて現地の電力網への再生可能エネルギーの追加を支援している。同契約により、武田薬品は、米国の一般家庭の年間消費電力約3万世帯分に相当する約35万MWhをEnel社から毎年購入する。
 これは、米国において見込まれる武田薬品の電力需要を十分に満たすエネルギーを供給するもので、同プロジェクトは2023年度までに運用を開始する予定である。
 同契約は、米国において広範に使用されるエネルギー網に供給される再生可能エネルギーの創出を支援するものであり、発行されるグリーン電力証書は当社の二酸化炭素削減目標に充当されるため、武田薬品のグローバルな持続可能性への取り組みにおける主要なマイルストンとなる。
 同契約により、武田薬品のGHG排出量を10万トン以上削減することができるが、これは現在の事業活動によるGHG排出量(スコープ1および2)の約20%に相当する。同契約に基づき発行されるグリーン電力証書は、米国におけるBioLife 血漿収集センター、グローバル マニュファクチュアリング・サプライ、研究開発拠点および将来のオフィス拡張分を含む米国施設の電力使用量を賄う。

◆大薮貴子武田薬品チーフグローバルコーポレートアフィアーズ&サステナビリティ オフィサーのコメント
 地球の健康と人々の健康は密接に関係しており、この両方を守るためにあらゆる手段を講じる事が求められている。本契約は、より持続可能なインフラを構築する上で重要な役割を果たすとともに、責任あるイノベーションを促進し、環境への影響を最小限に抑え、人類と地球が直面している最も差し迫った健康問題の脅威の一つである気候変動に取り組むために、私たちの役割を果たしていく。

◆Paolo Romanacci Enel社ヘッドのコメント
 米国において、脱炭素化の推進には企業が主導的な役割を果たさなければならないことは明白である。Enel社はパートナー企業がネットゼロ達成を実現するための一連のカスタムソリューションを提供する。このVPPAを通じて、武田薬品が持続可能性の目標に向かって前進する支援ができることを誇らしく思う。

◆Edison Energy社energy supply advisory vice presidentのHannah Badrei博士のコメント
 企業の持続可能性には、インパクトのあるクリーンエネルギー投資が必要である。今回の契約は、武田薬品がプロジェクトの構築を可能にし、VPPAを通じて排出量を削減するとともに、革新的な変動防止構造を通じてコストを安定させた最先端の取引である。このような取引は、気候変動に大きな影響を与えるものであり、Edison社は、より健康で、回復力のある、より持続可能な未来に向けた武田薬品の取り組みを支援できることを誇りに思う。

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