塩野義製薬は4日、経口新型コロナ治療薬「S-217622」について、中国における新薬承認申請に向けた資料の提出を開始したと発表した。
同社と中国平安人寿保険股份との合弁会社である平安塩野義(本社:中国上海)が、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Association) 薬品審評中心(Center for Drug Evaluation)に対して実施しているもの。
同治療薬に関する新薬承認申請前の資料提出により、申請後の審査の際にコミュニケーションが円滑になることが期待される。
同治療薬は、3CLプロテアーゼの選択的な阻害により、SARS-CoV-2の増殖を抑制する1日1回、5日間投与の経口抗ウイルス薬である。これまでにウイルスを速やかに減少させる効果、良好な忍容性が確認されており、また現在流行しているオミクロン株感染に特徴的な呼吸器4症状および発熱の症状改善効果が示唆されている。
同治療薬が中国で承認され、幅広い層の新型コロナウイルス感染者に処方されることで、中国における新型コロナ感染症治療への貢献が期待される。
COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、塩野義製薬では、新型コロナ治療薬の提供を通じ、感染の早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、同治療薬の日本をはじめとする各国での開発に引き続き注力していく。
なお、同件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響は、今後、状況に応じて精査する。