長瀬産業は2日、医療機器や医薬品製造、細胞培養などライフサイエンス分野で注目されるエンドトキシン除去技術を活用した受託サービスの提供を開始すると発表した。
ナガセケムテックスのエンドトキシン除去剤は、静電相互作用や疎水性相互作用により、効率的にエンドトキシンを除去することが可能である。従来の除去技術に比べエンドトキシン吸着容量が大きく、特徴的にエンドトキシンを除去できる。従来技術では難しかった高粘性液体(天然高分子など)からでもエンドトキシンを効率的に除去可能だ。
同サービスの提供に伴い、エンドトキシン分析器の販売において国内トップシェアである富士フイルム和光純薬(本社:大阪市)との代理店契約を締結、同社の広範な販売チャネルを通じて医療機器業界の企業、研究機関等に本サービスを提案・提供する。
エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁成分からなり、生体内に取り込まれた場合、発熱やショック反応を引き起こす外因性発熱物質として知られている。エンドトキシンを除去、管理するニーズは従来からあったが、安定的に低エンドトキシンバイオマテリアルを得る精製プロセスの構築には高い技術力や設備が必要となることや、精製コストが高くなるといった課題があった。
NAGASEグループでは、製造子会社の中核でエレクトロニクス、バイオ、環境・エネルギー等の分野で強みをもつナガセケムテックス(本社:大阪市)が低エンドトキシン材料を開発、2020年より長瀬産業が販売を行っている。同受託サービスは、低エンドトキシン素材の販売を通じて医療機器メーカー等がさまざまな製品からエンドトキシンを除去するニーズが得られたため、素材の販売に留まらず、除去サービスなどのソリューション提供を目的として展開するもの。
長瀬産業では、国内医療機器メーカーや研究機関などへの本サービス提供を通じて、顕在化されていない新たなエンドトキシン除去ニーズへの対応を目指す。
今後は、独自のエンドトキシン除去技術を活用したさまざまなサービスラインナップの拡充に取り組む