希少疾患の認知向上を目指した疾患検索システム共同開発・提供 武田薬品、エムスリー

 武田薬品は21日、エムスリーが運営する「m3.com」上において、希少疾患を含む疾患情報を症状から検索できるサービス「Docpedia CaseSearch」をエムスリーと共同で開発・提供すると発表した。
 「 m3.com 」は、日本の医師の9割以上にあたる31万人以上が登録する医療従事者専門サイト。医師は、日常診療の中で原因不明の症状に遭遇した際、診断をするために、医療文献の調査、一般的なインターネット検索等の方法により疾患該当性を検討するが、それらは、特に希少疾患の可能性を検討するための情報検索環境として非効率なものにとどまっていた。
 同サービスは、医師が日常的に利用する「 m3.com 」上で提供される。患者の症状を入力すれば、一般的な方法では認知しにくい希少疾患を含め、症状との関連性が疑われる複数の疾患に関する情報を瞬時に知ることが可能となる。
 これにより、希少疾患に対する医師の認知向上がなされるだけでなく、医師による疾患該当性の検討・特定、患者さんへの的確な治療の提供までにかかる時間の短縮が期待される。
 なお、同サービス機能は、PubCaseFinderを運用するライフサイエンス総合データベースセンター(DBCLS)の提供する技術に基づき構築したものである。
 エムスリーは、エムスリーグループ内外の協業により、大きな医療疾患課題の解決を目指す7Pプロジェクトを推進している。Patient Centricityの考えのもと、製薬企業とも積極的に協働しながら、 m3.com をはじめとするエムスリーグループのサービス・機能の拡充や、それらの複合的な組み合わせにより、医療課題解決に取り組んでいる。今後も、製薬企業と協働した医療業界への更なる価値提供を積極的に進めていく予定である。
 武田薬品は、治療薬の創出にとどまらず、希少疾患を取り巻くエコシステムの形成・改善を通じて、患者とその家族に価値提供できる優れたパートナーを目指し、他企業とのパートナーシップを用いて、さまざまな希少疾患の患者の健康に貢献していきたいと考えている。
 こうした両社の思いと武田薬品の医療貢献への取り組みと知見、エムスリーが持つ医師プラットフォームと高い技術力、DBCLSがPubCaseFinderで提供するデータの協働により、同サービスの実現が可能となった。
 同サービスが、希少疾患の認知向上と患者の健康への貢献、医師の診療負担軽減につながることが期待される。

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