国は新型コロナ経口治療薬提供体制整備で薬局を活用  大阪府薬乾会長が報告

乾氏

 大阪府薬剤師会は15日、定例記者会見を開き、乾英夫会長が年内に承認を予定している経口の新型コロナ治療薬に言及。「国は、提供体制を整備するために街の薬局をしっかりと活用する施策を示している」と強調した。
 さらに、「同治療薬の効率的な供給チャンネル確保のため、国が各都道府県に対して提供体制の受け入れ可能な薬局のリスト化を要望している」ことも明した。
 一方、尾島博司大阪府薬薬剤師連盟会長は、先般の衆議院選挙で落選した渡嘉敷奈緒美氏について、「是非、地元の吹田市で、薬剤師として在宅医療に携わって頂き、国会議員に復帰した時にその経験を活かしてほしい」とコメントした。
 掛かり付け薬局を決めていない新型コロナ感染患者の院外処方箋応需は、昨年12月、大阪府からの依頼を受けた大阪府薬が調査を行い、1730軒の応需可能薬局をリスト化した。
 この時の調査は、すべての院外処方箋について電話または情報通信機器による服薬指導を特例的・時限的に実施する0410対応を実施して、薬剤を直接またはバイク便等で即日配達できるかなどを問うもの。
 新型コロナ経口治療薬の供給体制整備では、この1730件に、新たに認定された地域連携薬局などを加えた1780軒を対象に、大阪府が改めて調査実施して対応可能薬局リストを作成。26日に同リストを国に提出する運びとなっている。今回の調査では、昨年12月の0410対応や直接またはバイク便での即日配達に加えて、休日・夜間対応などが追加される。
 乾氏は、薬機法改正で8月から施行された地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の大阪府の認定状況も報告した。現在、地域連携薬局は102軒、専門医療機関連携薬局は1軒。ちなみに、健康サポート薬局は260軒に上る(10月31日現在)。
 「これらは、8月から3カ月経過した時点での数字であるが、地域連携薬局は、少なくとも中学校区に1軒の薬局を標榜している」とした上で、「大阪府薬では引き続き届け出に関する支援を続けていきたい」と訴求した。
 定例会見では、12月18日に近畿大学(東大阪市小若江)で開催される「薬剤師による予防接種に係る研修会」についても説明された。同研修会は、ワクチンに関する講義及びワクチン接種の実技を行うもので、57支部から60名の会員薬剤師が参画。医師・看護師の参加を得て、20名毎のグループに分かれた上で、日薬が発出した「薬剤師による予防接種研修プログラム」に基づき実施される。
 乾氏は、「今後の新型コロナ流行に備えて、国から薬剤師による新型コロナワクチン接種要請があった時にきちんと対応できるようしっかりと地域で養成を行い、登録していきたい」と明言。
 加えて、「若い薬剤師を中心に、コロナワクチン接種の対応を希望する人が多い」とした上で、「1回目の研修会を参考にして、今後どういう形で研修を行っていくかを検討したい」と述べた。

尾島氏


 尾島氏は、先般の衆議院選挙について、「大阪府薬連盟では、府下の19小選挙区で、自民15名、公明4名を推薦し、自民は全敗、公明は4人当選した。維新の風の大きさに抵抗できなかった」と報告した。
 さらに、「渡嘉敷氏は、2度目の落選になるが、前回は、会営吹田薬局で調剤と服薬指導に携わった後、捲土重来を期して衆議院議員に返り咲いた」と説明。
 その上で、「今回は、次の選挙まで地元の吹田市で在宅医療に携わって頂き、国会に復帰した時にその経験を活かしてほしい。同プランを渡嘉敷氏に提案してみたい」と話した。
 また、来年の参議院選挙にも触れ、「神谷まさゆき日薬連盟組織内統一候補は、絶対に当選させねばならない」と力を込めた。

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