日立とIT業務の中長期戦略的パートナーシップで基本合意書締結  塩野義製薬

 塩野義製薬は4日、同社及びシオノギデジタルサイエンス、日立製作所および日立のグループ会社日立医薬情報ソリューションズの4社が、シオノギグループのIT業務に関する中長期的かつ戦略的なパートナーシップに向けた基本合意書を締結したと発表した。
医薬品業界を取り巻く環境は、デジタル技術による新たな創薬やデジタルアプリの開発が進展するなど、急激に変化している。
 また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、IoTやAIなどの先進技術を活用したDXや、業務もしくは会社の垣根を越えた医薬品バリューチェーンの全体最適化に対するニーズも高まっている。
 こうした中、ITシステムは、従来の業務支援ツールに留まらず、さまざまなステークホルダーをつなぎ、多種多様なデータを活用するためのプラットフォームとして、より一層その重要度が増している。
 シオノギグループは、デジタル・ITを戦略的に活用した新たな価値創造に取り組むため、本年7月にDX推進本部を塩野義製薬内に設立し、新たなヘルスケアソリューションの創出に向けた活動を加速している。
 また、DX推進(戦略領域)と、これまでシオノギデジタルサイエンスが担ってきたIT機能(実行領域)を有機的につなぎ、より強化するために、新たなステージへ向けた検討を進めてきた。
 日立グループは、医薬品分野において、生産設備・機器、生産・品質管理システム、ERPや、顧客との協創を通じてDXを加速するLumadaソリューションの提供により、「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」への価値向上に貢献してきた。
 日立医薬情報は、主に製薬会社向けのITシステムに関するコンサルティングや、大規模システムの運用・保守、各種システム(基幹系、研究開発系、生産系、品質管理系、営業系など)の開発を約15年間にわたり手がけており、薬事規制への対応をはじめとした医薬品業界の豊富な知識と、安定したシステム運用ノウハウを有してる。
 今回の協業により、シオノギグループのIT戦略・企画およびIT全体のガバナンス強化のため、シオノギデジタルサイエンスの戦略・企画業務を塩野義製薬に、ITシステムの運用・保守および一部の開発業務をシオノギデジタルサイエンスから日立医薬情報に移管し、来年1月を目途に塩野義製薬が日立医薬情報に運用・保守および開発業務の委託を開始する。
 これに伴い、シオノギデジタルサイエンスのITシステムの運用・保守および一部の開発業務に関わる従業員は日立医薬情報へ移籍し、日立グループが有するデジタル技術・ノウハウを利活用する中で、専門性をさらに伸ばし、継続的なキャリアアップを目指す。
 日立および日立医薬情報は、シオノギデジタルサイエンスから移籍する従業員とともに、シオノギグループのIT業務の一翼を担うことで、シオノギグループのさらなる事業発展への貢献を志向する。
 今後4社は、緊密なパートナーシップの下、具体的な取り組みに向けて、詳細の検討・協議を進めていく。

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