オプジーボと化学療法 CHMPが胃・胃食道接合部・食道腺がんで肯定的見解  小野薬品

 小野薬品は21日、オプジーボと化学療法の併用療法について、欧州医薬品庁
(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの成人患者のファーストライン治療薬としての承認を推奨したと発表した。
 対象は、combined positive score(CPS)が 5 以上の PD-L1 陽性、HER-2 陰性の進行または転移性胃がん(GC)、胃食道接合部(GEJ)がんまたは食道腺がん(EAC)の成人患者で、併用するのは、フルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法。
 提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が17 日に発表したもの。
 今後、CHMP の推奨は、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。
 今回の肯定的な見解は、ファーストライン治療としてオプジーボとロイコボリン、5-フルオロウラシルおよびオキサリプラチン(FOLFOX)またはカペシタビンおよびオキサリプラチン(CapeOX)の化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価したピボタルなP3相CheckMate -649 試験の結果に基づいている。
 同試験の結果では、CPS が 5 以上の PD-L1 陽性の切除不能な進行または転移性 GC、GEJ がんまたは EAC 患者において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の改善が示された(試験の主要評価項目)。
 オプジーボと化学療法の併用療法で示された統計学的に有意なOSのベネフィットは、CPS が1以上のPD-L1陽性患者および全無作為化患者集団においても認めらた。
 同試験におけるオプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤のこれまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していた。
 CheckMate-649試験の拡大解析の結果は、2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された。
 米国において、オプジーボとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法は、PD-L1発現率にかかわらず、進行または転移性 GC、GEJ がんおよび EAC 患者の治療薬として承認されている。

 ◆BMS消化器がん領域担当開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏のコメント
 胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんは、世界で最も致死率の高いがんであり、HER-2 陰性の患者さんに対しては、何年も治療法に大きな進展がなかった。
 CheckMate-649 試験の結果に基づき、オプジーボと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して、同患者集団において良好な全生存期間の延長を示した最初のレジメンである。この新しい治療薬をお届けして重大なアンメットニーズに対処できるよう、欧州委員会の決定に期待している。

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