実験動物学・実験技術教育eラーニング研修シリーズ「e-SEAs」発売  ケー・エー・シー

動物実験技術教育eラーニング研修の画面の様子

 「実験動物飼育管理(アウトソーシング)」、「実験動物技術者派遣」、「バイオ関連受託試験」​、「研究用試薬提供」などを柱に事業展開するケー・エー・シー(本社:京都市)は、実験動物学・動物実験技術教育eラーニング研修シリーズ「e-SEAs」の本格的発売を開始した。
 「e-SEAs」は、実験動物を取り扱う上で重要となる「動物福祉」、「バイオハザード対策」、「カルタヘナ法」の3つの柱をコンセプトに、講義や動物実験手技の動画で構成されているのが特徴だ。
 同社の熟練した講師陣により作成された実技教材は、生体を用いる技術研修の代替教育として利用することで、技術習得だけではなく、動物福祉の向上にも貢献できる内容となっている。
 ケー・エー・シーは、2001年に​技術研修所を立ち上げ、全新入社員を実験動物学・動物実験技術に関する研修終了後に各部署に配属して、「飼育管理」、「実験​支援」の実務に携わる仕組みを構築してきた。
 その後、2019年からは、約20年間に渡って培ってきた研修のノウハウを基に作成したeラーニングによる社内の実験動物学・動物実験技術教育システムをスタートさせた。同システムは、社外での使用も見据えたもので、今回の「e-SEAs」のバックグラウンドとなっている。

清水氏(左)、天野氏


 「e-SEAs」を本格的に発売するに当たって清水大経営企画部兼技術推進部部長は、「売上を重視するのではなく、業界全体の動物福祉に対する底上げを目指したい」と抱負を述べる。
 また、動物実験の基準についての理念として、「Replacement(代替)」、「Reduction(削減)」、「Refinement(改善)」の3Rが提唱されている。天野真理子技術推進部技術研修グループリーダーは、「3Rを達成するために教育研修があることを意識しなければならない」と指摘する。
 その上で、「事前に実験動物に関する研修を受けた後に実験を行うことで、動物のストレスや苦痛が和らぎ、使用数の減少も達成できる」と明言し、実験動物学・動物実験技術者教育研修の重要性を改めて強調する。
 こうした中、「e-SEAs」は、新人教育に加えて、「動物実験に携わる職員への定期的教育」、「実験動物1級・2級技術者資格試験対策」、「専門的な動物実験手技の取得」などに最適な教材となっている。
 また、関係法規、動物福祉、バイオハザード、遺伝子組み換え生物の利用者教育といった定期的な実施が必要とされる教育研修にも活用できる。
 その一例として天野氏は、「専門的な動物実験手技の動画では、医学部、薬学部などで初めて動物実験を開始するに当たって、動物をどのように取り扱うか、薬物をどのように投与するか、どのように採血するかなどについて判り易く説明している」と話す。
 「e-SEAs」の主な特徴では、①豊富な教材メニュー、②分かりやすい音声解説入り、③見やすさを意識したカメラワークと編集ーが挙げられる。
 ①については、「動物実験と社会」「動物福祉と愛護ならびに法律」「安全管理(ハザード対策)」「GLPの基礎知識」「環境統御」「微生物学的統御」「遺伝学的統御」等の講義動画メニュー、「マウス・ラットの各種投与手技」「マウス・ラットの各種採血手技」「主要臓器の摘出方法」「精管結紮手術」「卵巣摘出手術」等の動物実験手技メニューの中から、顧客のニーズに合わせた教材が選択できる。受講者ごとに配信する教材を選べるため、個々のレベルに合わせた教育研修も可能だ。
 ②は、技術を習得する上で重要となるポイントをケー・エー・シーの熟練講師陣が音声で解説。未経験者もスムーズに学習できる。
 ③は、受講者が見たいポイントに重点を置いたカメラワークと編集により、「見易さ」、「分り易さ」に拘りを持った仕上がりになっている。
 これらのコンテンツ(10分から30分程度)は、IDとパスワードを購入すれば閲覧できる。1コンテンツは、2000~5000円程度。清水氏は、「新しい教材を随時追加している。また、ご要望に合わせた動画作成も行っているので、メニューにないテーマでもまずは問い合わせてほしい。また、今後、オリジナルの実験動物学問題集・解説の提供も予定している」と呼びかける。
   

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