濾胞性リンパ腫診断補助用EZH2変異検出キット発売 ロシュ・ダイアグノスティックス

 ロシュ・ダイアグノスティックスは6日、EZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫患者を層別する際の診断補助に用いる EZH2 遺伝子変異検出キット「コバス EZH2 変異検出キット」を発売した。
 エーザイの EZH2 阻害剤「タズベリク」のコンパニオン診断薬の「コバス EZH2 変異検出キット」は、がん組織から抽出したゲノムDNA中の EZH2 遺伝子変異を検出する体外診断用医薬品だ。濾胞性リンパ腫における「タズベリク」適応の判定補助に用いられる。
 リアルタイムPCR法を測定原理とし、ロシュの遺伝子解析装置「コバス z 480」を用いて検出を行いう。
 「タズベリク」は、エーザイが販売するEZH2に対する選択的かつ可逆的な、経口投与の低分子阻害薬で。再発又は難治性の EZH2 遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫に係る効能効果で、本年6月23日に製造販売承認を取得し、8月12日に薬価収載された。
 濾胞性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の10%~20%を占める低悪性度 B 細胞リンパ腫である。一般的に進展が緩徐で、化学療法の感受性は良好だが、再発を繰り返すことが多いため依然として治癒が困難な疾患として新たな治療戦略が求められてきた。
 濾胞性リンパ腫のうち7%~27%が EZH2 遺伝子に機能獲得型変異を有すると報告されていることから、国内の濾胞性リンパ腫の患者のうち約600~2400人が当該変異を有していると推定される。
 同品の発売により、EZH2 遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫患者に対する治療アクセス改善が期待されている。
 コバス EZH2 変異検出キットの製品概要は次の通り

◆製品名:コバスEZH2 変異検出キット
◆使用目的:がん組織から抽出したゲノムDNA中のEZH2遺伝子変異の検出
(タゼメトスタット臭化水素酸塩の濾胞性リンパ腫患者への適応を判定するための補助に用いる)
◆測定原理:リアルタイム PCR 法
◆検体種:ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織
◆適用機種:遺伝子解析装置コバスz 480
◆保険点数:2500 点

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