塩野義製薬は30日、同社と中国平安人寿保険股份有限公司との合弁会社である平安塩野義が、平安健康との間で、代謝性疾患患者を対象としたリアルワールドデータ(RWD)収集・解析研究の実施に向けた新たな業務提携を締結したと発表した。
同研究では、平安塩野義が販売する複数の薬剤および平安健康の保有するオンライン医療プラットフォーム「Ping An Good Doctor」を活用する。いずれかの薬剤が処方される際、同研究への参加に対する患者の同意を取得し、ウェアラブルデバイスとスマートフォンアプリを提供する。
提供したウェアラブルデバイスとアプリにより、日常生活における患者の服薬履歴や睡眠・活動量・精神状態・認知機能などのRWDがモニタリングされ、それらの情報は患者が分かりやすい形でアプリ上で見える化され、患者自身で確認することができる。
平安健康は、同研究用アプリ開発、運営、患者のヘルスケアデータ収集、管理などの業務を請け負う。
平安塩野義は、同研究を通じて患者の服薬アドヒアランスの向上、収集データを活用した併存疾患などの早期発見および治療、最適な医療サービスの提供などに貢献する。
平安健康においても、Ping An Good Doctorを利用するユーザーのQOL向上への貢献が期待される。また、同研究は平安塩野義の研究開発コンセプトに掲げるデータドリブン創薬を加速するための重要な取り組みの一つとなる。
まず、代謝性疾患において良質なRWDの収集・解析を可能とするデジタル基盤を構築し、それを認知症やうつ病など当社の重点領域である精神・神経疾患に展開し、平安グループのAI技術を組み合わせながら臨床研究を継続することで、ヘルスケアデータを駆使した新しい薬またはサービスの創出に取り組んでいく。