小児先天性無胸腺症対象の培養胸腺組織 FDAに生物学的製剤承認を再申請  大日本住友製薬

 大日本住友製薬は28日、培養胸腺組織(開発コード:RVT-802)について、米国子会社のエンジバント社が27日(現地時間)に、小児先天性無胸腺症を対象とした生物学的製剤承認申請(BLA)をFDAに再申請したと発表した。
 2019年4月にエンジバント社が申請したBLAに対して、同年12月に FDA から審査結果通知(Complete Response Letter)を受領し、CMCに関する指摘を受けていたが、今回の再申請はこれらに対応したもの。同剤の処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく FDA の審査終了目標日は、本年10月8日。
 同剤は、小児先天性無胸腺症に対しての組織移植による生涯に1回きりの再生医療だ。小児先天性無胸腺症は、生まれつき胸腺が欠損している極めて希な疾患であり、深刻な免疫不全、免疫調節不全および易感染性を引き起こす。
 支持療法のみしかなく、通常、2歳または3歳までに感染症または自己免疫症状で亡くなる。現在、小児先天性無胸腺症に対するFDAの承認を受けた治療法はない。
 ◆エンジバント社CEO ラシェル・ジャック氏のコメント
 本剤の再申請は、小児先天性無胸腺症がもたらす厳しい結末と対峙する家族のために、切望されている治療選択肢をもたらすという使命を果たす上での重要な一歩である。
 今回のマイルストン達成に関して、小児先天性無胸腺症と向き合う家族の生活に変化をもたらすために本剤の臨床試験に参加してくださったご家族をはじめ、開発プログラムに関わってくださったすべての方々の努力に感謝したい。

 ◆ルイーズ・マーカートRVT-802臨床試験治験責任医師(デューク大学医学部小児科・免疫学教授)のコメント
 我々は、先天性無胸腺症の子どもたちの暗い将来に、機能的な胸腺環境を提供し、患者さんが致命的な感染症と闘うことができるよう、20年以上の間治療法の開発を行ってきた。
 本剤の再申請は、小児先天性無胸腺症の治療法がまもなく承認され利用できる可能性を示し、ご家族を前向きにさせるだろう。

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