オプジーボとヤーボイの併用療法 悪性胸膜中皮腫の一次治療薬としてCHMPが承認推奨  小野薬品

 小野薬品は26日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、切除不能な悪性胸膜中皮腫(MPM)の成人患者のファーストライン治療薬としての承認を推奨したと発表した。提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が23日に公表したもの。
 CHMPの推奨は、今後、欧州連合(EU)で医薬品を承認する権限を持つ欧州委員会(EC)によって審査される。

 CHMPの肯定的な見解は、MPMのファーストライン治療において最初で唯一の免疫療法薬のP3試験であるCheckMate-743試験の肯定的な結果に基づくもの。
 CheckMate -743試験は、未治療の悪性胸膜中皮腫に対して免疫療法薬がベネフィットを示した最初のP3相臨床試験である。承認された場合、15年ぶりに生存期間の改善を示したオプジーボとヤーボイの併用療法は、欧州の患者にとって承認された最初の新たな治療選択肢となる。
 同試験では、オプジーボとヤーボイの併用療法が化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較して、本試験の主要評価項目である全無作為化患者における全生存期間(OS)で良好な延長を達成した。
 MPMのファーストライン治療におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは管理可能であり、他のがん腫における同併用療法のこれまでの試験のものと一貫していた。
 CheckMate-743試験の結果は、2020年8月、国際肺癌学会(IASLC)の2020年世界肺癌学会議(WCLC)バーチャル プレジデンシャル シンポジウム で発表され、本年1月、ランセット誌に掲載された。
 現在、オプジーボとヤーボイによる免疫療法薬の2剤併用療法は、未治療の切除不能なMPMの治療法として、米国を含む3カ国で承認されており、世界の保健当局により、申請の審査が進められている。
 オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、切除不能なMPM、進行悪性黒色腫、進行腎細胞がん、および進行非小細胞肺がんの4つの異なるがん腫に対し、CHMPの肯定的な見解を受けている。
 ◆BMS胸部がん領域開発担当バイスプレジデントのAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
 悪性胸膜中皮腫に対しては、過去15年以上にわたり、生存期間を延長する新たな治療選択肢が承認されていない。現在、診断からわずか1年余りで大半の患者さんが亡くなられている。
 オプジーボとヤーボイの併用療法に対するCHMPの肯定的な見解により、この悪性度の高いがん腫に実証された有効な治療における緊急のアンメットニーズの解消に向けて、一歩前進することができた。欧州の患者さんにとって、生存期間を延長し得る最初の免疫療法薬の併用療法を届けられることを期待している。

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