オプジーボと化学療法の併用療法 FDAが胃がん・食道腺がん治療薬で承認  小野薬品

 小野薬品は19日、オプジーボとフルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法について、FDAが胃がん・食道腺がん治療薬として承認したと発表した。
 対象疾患は、PD-L1発現率にかかわらず、進行または転移性胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がん。提携先のブリストル マイヤーズスクイブ(BMS)が16日に公表したもの。
 同承認は、オプジーボとmFOLFOX6(ロイコボリン、フルオロウラシルおよびオキサリプラチン)またはCapeOX(カペシタビンおよびオキサリプラチン)の併用療法を、化学療法(mFOLFOX6またはCapeOX)と比較評価したP3相CheckMate-649試験結果に基づくもの。
 この患者集団での試験において、オプジーボと化学療法の併用療法は、化学療法と比較して、全生存期間(OS)に対して全無作為化患者(HR 0.80;95% CI:0.71 – 0.90;P=0.0002)およびPD-L1 combined positive score (CPS)≥5の患者(HR 0.71;95% CI:0.61 – 0.83;P<0.0001)の両方で良好な延長を示した。
 全患者の探索的解析における1年生存率は、オプジーボと化学療法の併用療法群で55%、化学療法群で48%であった。また、併用療法群は、化学療法群と比較して、無増悪生存期間(PFS)で病勢進行または死亡のリスクを有意に低減した(PD-L1 CPS ≥ 5:PFS HR 0.68;95% CI:0.58 – 0.79;P<0.0001) 。
 一方、オプジーボの「警告および注意」は、次の通り。
 重篤かつ致死的な免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎、免疫介在性肝毒性、免疫介在性内分泌障害、免疫介在性腎炎および免疫介在性腎機能障害、免疫介在性皮膚関連副作用、その他の免疫介在性副作用、Infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較対照試験以外では推奨されない)の死亡率の増加など。
 ◆CheckMate-649試験の治験責任医師でメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、消化器がんのチーフのYelena Y. Janjigian(M.D.)氏のコメント。
 CheckMate-649試験において、オプジーボと化学療法の併用療法は、転移性胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がん患者の生存期間を有意に改善し、死亡リスクを20%低減した。
 さらに、1年生存率は55%であった。これらは重要な結果であり、オプジーボによる同併用療法が生存期間を延長し得る治療選択肢を一刻も早く必要としているこの患者集団の標準治療となり得ることを裏付けている。
 ◆BMSがん・免疫疾患・心血管疾患担当の米国責任者兼ゼネラルマネジャーAdam Lenkowsky氏のコメント
 これまで、胃食道領域の転移性腺がんと診断された患者にとってほとんど進展がなかった。CheckMate -649試験で示されたように、オプジーボは、化学療法との併用で、化学療法と比較して、ファーストラインの転移性胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんにおいて、良好な全生存期間の延長を示した初めてで唯一の免疫療法薬である。
 本日の承認は、これらの患者に対し、生存期間の延長という希望をもたらす可能性がある。今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療を患者に届けることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で審査された。この審査は、カナダ、オーストラリア、スイスおよびブラジルの保健当局による同時審査が可能であるFDAのProject Orbisイニシアチブの下でも実施された。

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