大日本住友製薬は30日、現地時間の29日付けでユーロバント社の完全子会社化を完了し、ユーロバント社はスミトバント社の完全子会社になったと発表した。
昨年11月13日、大日本住友製薬の完全子会社のスミトバント社が、連結子会社であるユーロバント社の完全子会社化に関する契約締結が、今回完了したもの。
同完全子会社化は、23 日(現地時間)に開催されたユーロバント社臨時株主総会において、全株主の過半数およびスミトバント社以外の株主の過半数より承認された。
完全子会社化の対価の総額は、約 2億1800万米ドル(約240億円)となった。
同件による大日本住友製薬の連結業績への影響は軽微であり、本年3月に手続きが完了する前提のもと、2020年度連結業績予想に織り込んでいる。
同完全子会社化の概要については、昨年11月13 日に「米国子会社ユーロバント社の完全子会社化について」にて公表している。
ユーロバント社は、泌尿器科疾患に対する革新的な治療法の開発・販売に取り組むバイオ医薬品企業である。
β3 アドレナリン受容体作動薬「ジェムテサ」(一般名:ビベグロン) について、昨年12月に米国FDAより成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症として承認を取得し、本年4月に米国で上市予定だ。
また、ユーロバント社は、「ジェムテサ」で前立腺肥大症を伴うOABを、遺伝子治療である URO-902(開発コード)で経口薬物療法が無効のOABを対象とした開発を行っている。
大日本住友製薬は、ロイバント社との戦略的提携により、新設子会社であるスミトバント社の傘下に 2019 年 12 月にユーロバント社を連結子会社化した。
なお、今回の完全子会社化により、米国ナスダック市場でのユーロバント社株式の取引は停止された。