アストラゼネカ製新型コロナワクチン 米国P3試験主要解析で安全性と有効性確認

 アストラゼネカは25日、米国におけるP3試験の主要解析で、同社製新型コロナワクチン「AZD1222」の安全性と有効性が確認されたと発表した。同結果は、22日に公表した「事前に規定された中間解析におけるワクチンの有効性」と一致した。
 発表によると、症候性新型コロナ感染症発症予防に対するワクチンの有効性は76%、重症・致死性な疾患および入院予防に対する有効性は100%、65歳以上の被験者における症候性新型コロナ発症予防に対する有効性は85%。これらの結果は、独立データ安全性モニタリング委員会(DSMB)に提出された。
 同主要解析は治験実施計画書に事前に規定されており、今後数週間のうちに行われるFDAに対する緊急使用許可申請の根拠となる。
 同主要解析には、3万2449例の被験者のうち、合計190例の症候性新型コロナ感染症の症例が含まれており、以前に発表された中間解析から症例数は49 例増加している。
 被験者は、ワクチン群とプラセボ群に2:1の割合で無作為に割り付けられた。
同試験の主要評価項目である症候性新型コロナ感染症発症予防に対するワクチンの有効性は、4週間隔で2回接種した後15日以降において、76%(信頼区間(CI):68%~82%)であった。
 加えて、すべての年齢集団において結果は同程度で、65歳以上の成人におけるワクチンの有効性は 85%(CI:58%~95%)であった。
 また、重要な副次評価項目である重症・致死性な疾患、および入院予防に対する有効性は100%であった。同主要解析において8例の新型コロナ感染症重症化が見られたが、全てプラセボ群の被験者であった。
 ワクチンの忍容性は良好であり、安全性上の懸念は特定されなかった。
 同主要解析には190例の症候性新型コロナ感染症の症例が含まれていた。現在、判定される可能性がある、あるいは可能性の高い14の追加症例があるため、総症例数および点推定は若干変動する可能性がある。
 今後、アストラゼネカは、数週間のうちに、同主要解析を論文審査のある学術専門誌に投稿する。なお、アストラゼネカ製新型コロナワクチンは、本邦未承認である。
 Mene Pangalosアストラゼネカバイオ医薬品研究開発担当エグゼクティブバイスプレジデントのコメントは次の通り。
 本主要解析は当社が前回公表した中間解析と一貫しており、アストラゼネカの新型コロナワクチンは、65 歳以上を含む成人に対し極めて有効であることを確認した。
 当社は、米国において緊急使用許可の申請を提出し、全米で何百万回分ものワクチン供給が開始できるよう準備を進めていく。

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