田辺三菱製薬は23日、「ユプリズナ」について、同日、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症とした承認を厚生労働省から取得したと発表した。
ユプリズナは、ビエラ・バイオ社から導入したヒト化抗CD19モノクローナル抗体で、同承認は、ビエラ・バイオ社がNMOSD患者を対象に実施した日本を含むグローバル臨床試験の成績に基づくもの。
ビエラ・バイオ社は、本年3月15日にホライゾン・セラピューティクス社による買収が完了し、完全子会社化された。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD:Disorder)は、重症度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、指定難病とされている。再発を繰り返し、1回の再発で失明や車椅子生活に至ることもある。
ユプリズナは、抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞に発現するCD19というタンパク質に結合し、これらの細胞を循環血液中から速やかに除去することで、NMOSDにおける再発を予防する。
米国では、昨年6月11日に「UPLIZNA」の製品名で、NMOSDの適応で承認されている。
ユプリズナは、新規メカニズムによるNMOSD治療薬であり、また投与間隔が半年に1回という利便性から、再発予防期のNMOSD患者に新たな治療選択肢として提供できるものと考えられる。
また、現在NMOSDに続く効能として、重症筋無力症およびIgG4関連疾患について、ホライゾン・セラピューティクス社と共同で日本を含むグローバルP3相臨床試験を実施している。