オプジーボ・カボメティクス併用療法 FDAが進行腎細胞がんで優先審査  小野薬品

 小野薬品は20日、オプジーボとカボメティクスの併用療法について、FDAが進行腎細胞がん(RCC)に対する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)および医薬品承認事項変更申請(sNDA)を受理したと発表した。ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が19日に公表したもの。
 FDAは、両申請とも優先審査の対象に指定し、処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了の目標期日を 2021 年 2 月 20 日に設定している。
 これらの申請は、未治療の進行RCC患者を対象にオプジーボとカボメティクスの併用療法とスニチニブを比較評価したP3相 CheckMate-9ER試験の結果に基づくもの。
 同試験では、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、対照薬であるスニチニブと比較して、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)を含む全ての有効性評価項目で有意な改善を示した。
 オプジーボとカボメティクスの併用療法の忍容性は良好であり、治療に関連する投与中止の割合は低く、未治療の進行RCCにおける免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤でこれまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していた。
 また、CheckMate-9ER試験の患者報告アウトカムデータでは、オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、大半の評価時点において、健康に関連する生活の質で統計学的に有意な改善に関連していることが示された。
 BMSオプジーボ開発担当バイスプレジデントの Mark Rutstein は、「腎細胞がんの治療において、患者と医師に対し、疾患管理に役立つさらなる選択肢を提供する重要性を認識している」と断言。
 その上で、「CheckMate -9ER 試験では、オプジーボとカボメティクスという、進行腎細胞がんで堅固な臨床実績を有する2剤の併用療法により、全ての評価項目で良好な有効性が示された。今後、免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤の併用レジメンを選択する医師と患者に、この治療選択肢をお届けできるよう FDAと協働していく」とコメントしている。
 一方、Exelixis社製品開発・メディカルアフェアーズ部門、プレジデント兼最高医学責任者のGisela Schwab(M.D.)は、「両剤の補完的な作用機序と、カボメティクスがより免疫許容な腫瘍環境を促進する可能性があるというエビデンスにより、我々は、この併用療法によって付加的または相乗的な効果をもたらす機会があると確信している」と強調。
 さらに、「CheckMate-9ER 試験の堅固なデータに基づいた申請が受理されたことは、カボメティクスとオプジーボの併用療法を、さらなる治療選択肢を必要とする進行腎臓がんの患者さんに提供するための重要な進展である」と述べている。
 なお、CheckMate-9ER試験結果は、9月19 日、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会のプレジデンシャルシンポジウムで、プロファードペーパーとして発表された。

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