ONO-5704/SI-613 変形性膝関節症P3好結果を学会発表 小野薬品と生化学工業

 小野薬品と生化学工業は11日、国内で共同開発を進めている変形性関節症治療剤「ONO-5704/SI-613」の変形性膝関節症患者を対象とした国内P3試験結果が、6月11~8月31日までオンライン開催されている第93回日本整形外科学会学術総会で発表された(演題番号 3-12-15)ことを公表した。
 ONO-5704/SI-613 は、生化学工業独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、ドラッグ デリバリーシステムにより徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つことから、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)に見られる痛みや炎症を速やかに、かつ持続的な改善が期待される。また、注射剤として関節腔内に直接投与するため、ジクロフェナクの全身曝露量が少なく、全身性の副作用のリスクが低いと考えられている。
 変形性膝関節症患者に対するDiclofenac etalhyaluronate(ONO-5704/SI-613)のP3試験は、変形性膝関節症患者440例を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験で、ONO-5704/SI-613またはプラセボ(偽薬)を膝関節腔内に4週ごとに6回投与し、ONO-5704/SI-613 の有効性と安全性を検討したもの。
 同試験の主要評価項目であるWOMAC痛みスコア(膝の痛みの評価指標、100mmVAS スケール)において、初回投与後12週間(4週ごとに3回投与)の投与前ベースラインからの平均変化量の ONO-5704/SI-613 群とプラセボ群の群間差は-6.1mmであり、統計学的な有意差が認められた(p<0.001)。
 また、初回投与後24週間の平均変化量の群間差においても、ONO-5704/SI-613 群はプラセボ群に対し統計学的な有意差(-5.6mm)が認められた(p=0.001)。
 さらに、副次評価項目であるWOMACこわばりスコア及び日常行動の困難度スコアにおいては、初回投与後12週間のベースラインからの平均変化量について、ONO-5704/SI-613 群はプラセボ群に対し統計学的な有意差が認められた。
 安全性の評価においては、有害事象の発生頻度に両群間で差は認められず、また、臨床上の顕在化した問題は認められなかった。
 なお、生化学工業は、本年1月に、同試験及び他の2つのP3試験結果に基づき、国内において ONO-5704/SI-613 の変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)の効能又は効果に係る製造販売承認申請を行っている。

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