塩野義製薬は31日、26日に障がい者インクルージョン推進の国際イニシアティブ「The Valuable 500(ザ・バリュアブル・ファイブハンドレッド)」に賛同し加盟したと発表した。
The Valuable 500は、昨年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した国際イニシアティブ。「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えのもと立ち上げられ、障害者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるような自社ビジネスの改革をビジネスリーダーが起こすことを目的としている。
塩野義製薬は、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、「個人が生き生きとした社会創り」、「人権の尊重」および「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を特定し、障がい者を含めた多様な人々に配慮した企業活動を行っている。
そのため、人権・労働・環境・腐敗防止の「国連グローバル・コンパクト」の10原則を踏まえた企業経営を行うとともに、色々な個性が互いに切磋琢磨しながら多様な価値観を尊重し融合することで、様々なイノベーションの創出につながるとの考えのもと、ダイバーシティ&インクルージョンを推進している。
塩野義製薬では、「The Valuable 500」への参画を通じて、次のコミットメントを宣言した。
1.人権の尊重=シオノギは、「個人が生き生きとした社会の実現」を目指すうえで、人権尊重に対する取組みが重要であると認識している。そのため、「世界人権宣言」、「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言とそのフォローアップ」および「国連グローバル・コンパクト」を含めた国際的な人権基準を支持している。
2.シオノギのダイバーシティビジョン=シオノギグループ全体でダイバーシティ&インクルージョン推進に取り組むため、2018年に、各組織の活動を「ダイバーシティ協議会」により統括し、全従業員が同じ目線で取り組めるようにダイバーシティビジョンを制定した。
1. ダイバーシティ&インクルージョンに向けた主な取り組み
◆発達障がいによる生きにくさからの解放を目指す取り組み=社会による発達障がいの理解の向上および支援体制の整備・充実の2つを軸に据え、発達障がいの支援に携わるパートナーとして自治体やアカデミア等とそれぞれの強みを活かして連携を図りながら活動を推進している。
◆聴覚・視覚障がい者の服薬バリア解消を目指す取り組み(コミュニケーションバリアフリープロジェクト)=障がい者と健常者の区別なく万人が服薬に必要な情報を得られることを目指し、「障がいのある患者さまが服薬指導を受ける際のコミュニケーションバリアをなくす」プロジェクトを展開している。
◆障がい者が働きやすい職場づくり=シオノギは、健常者と障がい者がともに生き生きと働ける職場の整備を進め、ダイバーシティー、ノーマライゼーションを推進するという方針のもと、積極的に障がい者雇用に取り組んでいる。障がいの有無によらず、一人ひとりが本来の能力を存分に発揮して活躍できる職場環境の実現に向けて、コミュニケーションバリアフリープロジェクト活動を社内でも推進している。この活動を通して、すべての従業員への情報保障が当たり前となる風土を醸成している。
また、さらなる雇用促進に向け、2018年4月にシオノギスマイルハート株式会社(同年7月に特例子会社認定)を設立した。
4. 今後、注力したいこと/目指す姿
◆ダイバーシティ&インクルージョンの推進を、シオノギグループ全体の重要な人事戦略として位置づける=Ÿ私たちは、ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、すべての従業員が互いの多様性を理解し尊重し合い、ともに働く風土がつくられ、その結果としてイノベーションが生まれることを理解している。Ÿ障がいの有無によらない働きやすい職場環境の整備に向けて、従業員との対話を通じて継続的な改善を図る。Ÿシオノギグループで、ダイバーシティ&インクルージョンに対する全社的な教育・啓発を行う。
◆シオノギグループだけでなく、社外のステークホルダーに対するダイバーシティ&インクルージョンも推進する=Ÿ医薬品のアクセシビリティの確保と向上を目指す。Ÿ 障がいの有無によらず、薬の情報を正しく届ける仕組みを整え、薬の適正使用推進に貢献する。
◆すべての従業員がシオノギグループの一員としてその能力を存分に発揮できる職場環境をつくることで、従業員エンゲージメントを向上させる。それによって、障がいの有無によらず、一人ひとりが自らの価値を発揮できるインクルーシブな社会創りに貢献していく。