武田薬品は4日、2019年度通期業績予想を上方修正すると発表した。上方修正は、良好なビジネスモメンタムとシャイアー社統合のシナジーの加速化によるもの。今回の公表予想は、次の通り。
売上収益3兆2600億円(前回予想3兆2600億円、対前回予想比+0.8%増)、営業利益100億円(同△1100億円)、当期純利益△1620億円(同△2730億円、同+40.7%)、EPS△104円(同△175円、同+40.7%)、Core営業利益9500億円(同9300億円、同+2.2%)
今回公表予想には、シャイアー社買収に係る取得対価の配分完了に伴う、企業結合会計における遡及修正の影響が含まれている。また、タケダの14のグローバル製品の力強いモメンタム、営業費用効率の改善ならびにシャイアー社との統合のコストシナジーの良好な進捗状況が反映されている。
売上収益は、主に、タケダの14のグローバル製品が牽引するビジネスモメンタムにより、前回公表予想から 260 億円(+0.8%)増収の3兆2860億円に修正した。
Core営業利益は、ビジネスモメンタムとともに、コストの効率化とシャイアー社との統合のコストシナジーを反映し、前回公表予想から200億円(+2.2%)の増益となる9500億円に修正した。
営業利益は、前回公表予想から1200億円増益の 100億円の利益に修正。このうち、1000億円の増益は、主として企業結合会計に係る費用の通期の前提を修正したため。シャイアー社買収に係る取得対価の配分が完了したことに伴い、これら費用を減額する修正を行い、売上原価や無形資産償却費等の費用が前回公表予想から合計で1188億円の減額となった。残りの200億円の増益は、Core営業利益の増益分となる。
また、2019年度第3四半期累計の売上収益は、シャイアー社買収による影響と14のグローバル製品の堅調な伸長により、対前年同期+82.6%増収の2兆5195億円と良好なビジネスモメンタムを示した。実質的な売上収益については、2019年度第4四半期は回復し、通期では横ばいから僅かに増収計画となった。
2019年度第3四半期累計のCore 営業利益は7922億円、実質的なCore営業利益率は、統合によるコストシナジーの加速化、グローバル営業経費効率化が寄与し30.9%となった。