欧州での非小細胞肺がんファーストライン申請取り下げ オプジーボとヤーボイ併用療法

 小野薬品は3日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMY)が1月31日にCheckMate-227試験結果に基づく、ファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたオプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州連合(EU)での申請を取り下げたと発表した。
 その一方で、BMYは、ファーストラインのNSCLCを対象にオプジーボとヤーボイの併用療法に化学療法のサイクルを限定して併用投与するCheckMate-9LA試験の肯定的な中間結果に基づいて、欧米およびその他の市場で申請する取り組みを進めている。CheckMate-227試験およびCheckMate-9LA試験結果は、オプジーボとヤーボイの併用療法が、ファーストラインの悪性黒色種および腎細胞がんで既に確立されているベネフィットをさらに強固にするもの。
 今回欧州で取り下げられた申請は、当初、CheckMate-227試験の主要評価項目の1つである無増悪生存期間の最終解析に基づき、腫瘍遺伝子変異量が10変異/メガベース以上のファーストラインの NSCLC 患者を対象として2018年に提出された。
 その後、PD-L1 発現率が1%以上の患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法を化学療法と比較評価したCheckMate-227試験のPart1aでのもう1つの主要評価項目である全生存期間で統計学的に有意差を示した結果を欧州での申請に追加した。
 欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)は、患者レベルのデータの完全性については認めつつも、急速に進展するサイエンスとデータに対応するため、BMYが行った治験実施計画書の複数の改訂を受け、同申請の完全な評価はできないと判断した。BMYでは、「EUにおいて同申請を再提出する予定はない」としている。
 BMYのSamit Hirawatチーフ・メディカル・オフィサー(M.D.)は、「CheckMate-227 試験は、1700人以上の患者を対象に実施したP3相試験である。ファーストラインのNSCLC患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、統計学的かつ臨床的に有意な生存ベネフィットを示している」と明言。
 その上で、「同試験において示された長期生存ベネフィットは、患者にとって重要な結果であり、CHMP の見解を残念に思う」とコメントしている。
 なお、米国FDAでは、本年1月、P3相CheckMate-227試験のPart1データに基づき、ファーストラインのNSCLC を対象としたオプジーボとヤーボイの併用療法の申請を優先審査の対象として受理し、PDUFAに基づく審査終了期日を本年5月15 日としている。

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