大日本住友製薬は30日、エクスシエンティアとの共同研究でAIを活用して創製したDSP-1181のP1試験を国内で開始したと発表した。今後、同社は、強迫性障害を予定適応症としてDSP-1181の開発を進めていく。
DSP-1181、大日本住友製薬のモノアミンGPCR創薬における創薬経験・知識と、エクスシエンティア独自のAI創薬プラットフォームであるCentaur ChemistTMとの融合による共同研究を通じて見い出された。その高い相乗効果により、業界平均で4年半を要するとされる探索研究を 12ヶ月未満で完了した。
DSP-1181は、長時間にわたりセロトニン5-HT1A受容体に作用する強力なアゴニストであり、強迫性障害治療剤候補としてP1試験を開始した。大日本住友製薬は、研究重点3領域の一つである精神神経領域において、アンメット・メディカル・ニーズに応えるべく開発パイプラインの拡充を実現した。
木村徹大日本住友製薬取締役常務執行役員シニアリサーチディレクターは、「本研究で非常に短期間に新薬候補化合物を生み出した成果にとても満足している」と強調。その上で、「エクスシエンティアの優れたAI技術と当社のモノアミンGPCR創薬に関する深い経験値が相乗的に働いた大きな成果である」と評価した。
Andrew HopkinsエクスシエンティアCEOは、「AI の活用によって創製された本剤が臨床試験に入ることは、創薬における画期的な出来事であると考えている」とコメントしている。