厚労省エイズ対策政策研究事業に協力    塩野義製薬  

 塩野義製薬は29日、厚生労働省エイズ対策政策研究事業に協力し、国内同社グループ全従業員を対象に、HIV検査に関する教育機会を提供した上で、同事業への参加を推進していると発表した。エイズ対策政策研究事業は、国立病院機構名古屋医療センター・横幕能行氏を主任研究者として取り組んでいるもの。
 HIV/エイズにおいては、UNAIDS 2(国際連合エイズ合同計画)が提唱した“90%(診断率)-90%(治療受診率)-90%(治療成功率)(2020年)”の目標に対し、日本では、診断率、治療受診率が未達であると報告されている。
 また、毎年1400人前後のHIV/エイズ新規患者数の内、エイズの発症で初めて感染を知った人の割合は約3割を占めている。現在の抗HIV療法は大きく進歩し、早期診断、早期治療の導入により、多数の人々がエイズを発症せず、感染前もしくは非感染者と同様の生活を送れるため、より早期の診断がその後のQOL向上に重要となる。
 同研究では、HIV検査の受検に対する意識調査を行うとともに、早期診断の機会を拡大し、新たなHIV検査体制の構築を目指している。
 塩野義製薬は、同研究の趣旨に賛同し、「世界エイズデー」(毎年12月1日)を控えたこの時期に、同研究に協力する。協力に際し、従業員に対しては、3つのポリシー(雇用保障、プライバシー管理、健康支援)を基に、個人の自由意思に基づいた匿名下での研究への協力機会を提供している。
 また、同研究においては、昨今患者数が急増している梅毒についても、併せて教育と検査への協力機会が提供される。

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