ジェノミック・ヘルス社は7日、TAILORx試験の解析結果により、オンコタイプDX検査が、早期乳がんのうち化学療法の利益がない大多数と化学療法によって命が救われる重要な少数を確実に識別できることが確証されたと発表した。同試験結果は、同日、JAMAOncology誌に掲載され、2019年ESMO大会で発表された。
TAILORx試験は、米国国立癌研究所(NCI)が依頼し、ECOG-ACRINがん研究グループが主導した史上最大規模の乳がん治療試験で、その副次的解析は、内分泌療法に加えて術後補助化学療法を受ける群に割り付けられた再発スコア結果が高い患者の臨床転帰評価を目的としている。
個別化した治療選択肢を割り当てたTAILORx試験の新たな解析により、ホルモン受容体陽性(HR+)、HER2陰性の早期乳がんの女性に対する術後補助化学療法の有用性を識別するオンコタイプDX乳がん再発スコア検査の有用性が立証された。
TAILORx試験では、内分泌療法に加えて化学療法で治療された再発スコア結果が高かった(26~100)患者の転帰は、内分泌療法単独で予想される転帰よりも良好であった。
この解析は、化学療法の利益がある少数の患者に対する様々な化学療法レジメンの結果についても、詳細情報を提示している。
すなわち、TAILORx試験は、オンコタイプDX検査が、早期乳がんの女性のうち化学療法の利益がない大多数と化学療法によって命が救われる重要な少数を確実に識別できることを確証した。
この新たな解析から得られた追加的知見は、再発スコア結果が化学療法の利益がある患者とない患者を予測して、早期乳がん患者に対して適確な標準治療を行えるようにするという結論と一致しており、さらにそれを裏付ける。
TAILORx試験は昨年、早期乳がんの女性の術後補助化学療法のガイドとして、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査を利用することを支持する、最高レベルのエビデンスとこれまでにない精密さを確立した。
今回の解析結果は、再発スコア結果が高い患者の転帰に関する最大のデータセットを提供し、術後補助化学療法を追加することで大きな利益が得られる患者特定において、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査の重要性を示している。