塩野義製薬は13日、カーブアウトベンチャー企業のピオニエとの間で15年10月より実施していた共同研究を終了し、ピオニエの全株式の買い取りを実施したと発表した。共同研究終了は、両社で設定した目標を達成したため。
ピオニエは、大阪商工会議所による製薬企業の新薬研究開発を支援する「DSANJ(Drug Seeds Alliance Network Japan:創薬シーズ・基盤技術アライアンスネットワーク)」事業の一環として、ベンチャーファンドの出資によって設立されたカーブアウトベンチャー企業。
上場企業等から開発シーズを切り出し、その企業と一定の連携を保ちながら外部資金と人材を投入して短期間で最大化することを特徴とし、M&Aや上場をゴールとする。公的機関としては日本初の事業化支援スキームとして15年9月に立ち上げられた。
塩野義製薬は、この枠組みを活用し、2015年10月に新規リード化合物の創製を目指した共同研究をピオニエと立ち上げ推進する。
今回、契約で合意した達成目標を満たしたため、共同研究を予定通り終了し、契約で定めた条件でピオニエの全株式の買い取りを実施した。
これにより、大阪商工会議所の創薬事業化支援スキームの第1号案件は成功裡に終了。今後は、塩野義製薬で創薬を展開し、開発候補化合物の非臨床試験の開始を目指す。