抗体誘導ペプチドのAI 創薬研究開始 ファンペップ

 ファンペップは7日、三井物産社の完全子会社であるゼウレカ(東京都千代田区)との間で、AI 創薬支援サービスに関する研究委託契約を締結し、抗体誘導ペプチドのAI創薬研究を開始したと発表した。
 ゼウレカは、保有するスーパーコンピューターや計算創薬技術を用い、AI や大規模の分子動力学シミュレーションを活用して構築・最適化したリガンドとタンパク質の複合体構造提示や超大規模なバーチャルスクリーニングなどの幅広いAI創薬支援サービスを提供している。
 抗体誘導ペプチドは、患者様の体内で標的タンパク質に対する抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチド治療ワクチンである。ファンペップは、様々な標的タンパク質に対する抗体誘導ペプチドの候補化合物を創出することにより研究開発パイプラインの強化を図っている。
 抗体誘導ペプチドの候補化合物を設計するにあたり、標的タンパク質の働きを阻害する抗体産生を強力に誘導するエピトープ(抗体が結合する短いペプチド)を迅速に選定することが重要となる。今回、ファンペップの抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」にゼウレカのAI による計算創薬技術を融合させることで、複雑な標的タンパク質の立体構造データを踏まえた精度の高いエピトープ設計が可能となり、抗体誘導ペプチドの候補化合物がより早期に創出されることが期待される。
 なお、ファンペップは、特定の抗体誘導ペプチドの候補化合物設計に関してゼウレカに研究委託費を支払うが、2024年12月期の研究開発費予測値に変更はない。

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