
武田薬品は7日、いいおなかの日(11月7日)に合わせ、炎症性腸疾患(IBD)患者がハンバーガーを食べたい時に役立つ情報をまとめたウェブページ「IBDream知恵袋~ハンバーガー編~」を、同社疾患啓発サイト(IBDステーション)で公開したと発表した。
ハンバーガーを食べる際のヒントとなる情報を掲載しているほか、計3社の栄養成分情報ページへのリンクも掲載し、IBD患者さんがハンバーガーを楽しめるようサポートする。
同知恵袋は、IBD患者の悩みに向き合い、さまざまな企業や団体とともに解決策を考える武田薬品の「IBDreamプロジェクト」の活動の一環だ。
IBDreamプロジェクトは、2020年から続く取り組みで、今年で5周年を迎えた。IBDは、一般的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つの総称を意味する。
IBDは腸を中心とする消化管粘膜に炎症が生じる疾患で、主に10代~20代で多く発症することが知られている。IBD患者の多くは、頻回の下痢や血便、腹痛、発熱、さらには慢性疲労に悩まされながら日常生活を送っている。
IBD患者は、体調管理のために日々の食事においてさまざまな工夫が必要だ。特に、ハンバーガーなどのファストフードは、脂質が気になって”食べたくても食べられない”という悩みを抱えているケースが珍しくない。ハンバーガーショップは、多くの魅力的なメニューがそろう場所でもあり、仲間との楽しい時間を過ごす場所でもある。
だが、栄養成分が気になり、店に入ることを躊躇したり、メニュー選びに悩んでしまう場合がある。また、 IBD患者の周囲の人も、一緒に訪れるお店やメニュー選びに悩むケースももある。
同知恵袋は、IBD患者やその周囲の人がハンバーガーを楽しむための参考情報として、「5つのヒント」を掲載している。また、ハンバーガーチェーン計3社の公式HP内の、IBD患者が気になる栄養成分情報が掲載されているページへのリンクも併せて掲載している。IBD患者とハンバーガーを楽しむための5つのヒントは、次の通り。
1、シェアして楽しもう!体調に合わせて分量を調整
2、毎月〇日はハンバーガーの日!ご褒美に、頻度を決めて利用
3、メニューの選び方にも工夫を。辛味の強いメニューや香辛料には注意
4、1食につき脂質8g目安に
5、悩んだ時は主治医や管理栄養士に相談
なお、同知恵袋は、実臨床でIBD患者により近い場所で接している管理栄養士の観点から、宮澤靖京都光華女子大学 健康科学部 健康栄養学科 客員教授が監修している。また、同知恵袋のウェブページのメインビジュアルのデザインは、IBD患者でもあるクリエイターのカメダ氏が担当した。
◆監修を務めた宮澤靖氏のコメント
IBD患者さんは、症状や体調に応じて適した食事内容を選択することが大切である。主治医や管理栄養士からハンバーガーなどのファストフードを控えるように指導されているIBD患者さんは多くいると思う。だが、どうしてもハンバーガーが食べたいというIBD患者さんの声をこれまで多く聞いてきた。「IBDream知恵袋~ハンバーガー編~」で紹介するヒントは、あくまでも平均的な目安であり、すべてのIBD患者さんに適用できるものではない。だが、これらのヒントや栄養成分情報を参考に、主治医や管理栄養士とともにIBD患者さんにとって適切なハンバーガーの楽しみ方を考える判断材料のひとつにして貰えるものと考えている。
本知恵袋を通じて、IBD患者さんが、自身にあった”ハンバーガーを楽しめる環境”を見つけて頂ければ幸いである。

