![](https://iyakutsushinsha.com/wp-content/uploads/2025/02/DSC00997.jpg)
三菱ケミカルグループは6日、Webによる2024年度3Q決算説明会を開催し、木田稔最高財務責任者CFOが一連の田辺三菱製薬売却報道に言及。「昨年11月の経営方針説明会で発表したようにベストパートナーの探索を引き続き進めている」と話すに留めた。
ベストパートナーの探索のキーポイントとなるパイプラインについては、辻村明広三菱ケミカルグループ執行役エグゼクティブバイスプレジデントファーマ所管(田辺三菱製薬代表取締役)が説明した。
![](https://iyakutsushinsha.com/wp-content/uploads/2025/02/63495d7e0498015cef4decefada8c531.png)
辻村氏は、期待のパイプラインとして、グローバル開発品のND0612(パーキンソン病、再申請準備中)、MT‐7117(赤芽球性プロトポルフィリン症[EPP]P3、X連鎖性プロトポルフィリン症 [XLP]P3、全身性強皮症P2)、MT-3921(脊髄損傷P3)のグローバル開発品および、国内開発品のMT-0551(IgG4関連疾患P3、全身性強皮症P3)、MT-2111(再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:単剤療法P2、(リツキシマブとの併用療法P3)ーを列挙。
その上で、「これらはいずれもアンメットメディカルニーズの高い製品なので、臨床試験結果を楽しみにしている」と言い切った。
パーキンソン病治療のデバイスと薬剤のコンビネーションの「ND0612」は、昨年6月、FDAより審査完了報告通知(CRL)を受領した。CRLでは、「ND0612の成分の一つであるカルビドパの安全性に関する追加情報の提供」や、「製品の品質、デバイスおよび製造所の査察に関する追加情報」が求められている。
辻村氏は、「CRLに記載されている項目についてしっかりと対応している」と述べ、「本年のできるだけ早い時期にFDAに再申請する」考えを強調した。再申請後の審査期間は、クラス1(2カ月)またはクラス2(6カ月)の何れかがFDAによって判断される。
ファーマの2024年度3Q累計は、売上収益34901億円(対前年同期比3%増)、コア営業利益545億円(2%減)となった。売上収益では、北米でのラジカヴァ経口剤が引き続き堅調で、ファーマ事業の収益力を支えている。国内のマンジャロ(2型糖尿病薬)、5種混合ワクチン「ゴービック」も伸長した。
コア営業利益は、為替によるプラス効果があったものの国内の薬価改定の影響などで対前年同期比9億円の減益となった。
四半期別推移におけるファーマのコア営業利益は、2Qの229億円に対し3Qは131億円と98億円減益となった。
ステラーラ(乾癬・クローン病・潰瘍性大腸炎)、シンポニー(関節リウマチ)、テネリア(2型糖尿)カナグル(2型糖尿)などの国内重点品の販売は堅調であったが、2Qに販売が先行したインフルエンザワクチンの減収、選定療養制度による中期収載品の減収、無形資産譲渡益等の影響により減益となった。
4Qにかけては、例年の薬価改定前の買い控えや、販管費・研究開発費の集中投与の影響により減益を見込んでいる。