JCRファーマの2024年度中間期業績は、売上高166億5700万円(前年同期比31.4%減)、営業利益△7億3900万円(68億9800万円)、経常利益△16億2100万円(71億2600万円)、親会社株主に帰属する中間純利益△6億9100万円(52億5300万円)となった。
売上面では、遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」は4月に薬価改定があったものの、販売 数量が大きく増加したことにより増収。「イズカーゴ」も好調に推移したが、腎性貧血治療薬の減収等により、製品売上高は前年同期とほぼ同水準となった。その一方で、契約金収入および受託 製造売上が減少したことなどにより、前年同期に比べて減収となった。
また、積極的な研究開発活動によって研究開発費は18.8%増加し65億7600万円(前年同期比10億4000万円増)となった。これらの結果、営業、経常、中間純利益ともに損失を計上した。
主力製品の売上高は、グロウジェクト(成長ホルモン製剤)94億0100万円(対前年同期比7.5%増)、 イズカーゴ(ムコ多糖症Ⅱ型治療剤)28億4500万円(11.3%増)、腎性貧血治療薬17億6400万円(34%減)、エポエチンアルファBS注「JCR」9億6200万円(8.0%減)、ダルベポエチンアルファBS注「JCR」8億0100万円(50.3%減)、再生医療等製品 テムセルHS注15億2100万円(20.0%減)。
研究開発状況では、現在、17種類を超えるライソゾーム病治療薬について、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を適用した新薬の研究開発に重点的に取り組んでいる。血液脳関門通過型ハンター症候群治療酵素製剤pabinafusp alfa(開発番号:JR-141)は、現在、グローバルP3試験を進行している。また、いわゆる軽症型の患者を対象としたCohort Bは、目標としていた20例の症例登録が完了し、より重症な患者を対象としたCohort Aにおいても60% 以上の症例登録が完了した。
血液脳関門通過型ムコ多糖症Ⅰ型治療酵素製剤lepunafusp alfa(開発番号:JR-171)は、現在、日本・ブラジル・米国での13週間の臨床P1/2試験を完了し、その継続試験を実施している。また、当該品目については、自社開発ではなくライセンスアウトにより開発を進める方針であり、パートナー候補との導出交渉を進めている。