ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は16日、CD19 を標的とする CART細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家 T 細胞療法)「ブレヤンジ静注」について、 再発・難治性濾胞性リンパ腫に対する適応追加承認を日本で取得したと発表した。
対象は、再発または難治性の濾胞性リンパ腫(グレード 1、2、3A)。これにより、すべてのグレードの濾胞性リンパ腫が対象となり、高リスクの2次治療としては初めての適応となる。
今回の承認は、日本人を含む再発又は難治性のインドレント(低悪性度)B 細胞非ホジキンリンパ腫患者(グレード 1、2、3A の濾胞性リンパ腫患者を含む)を対象としたブレヤンジの有効性及び安全性を評価する国際共同P2試験(JCAR017-FOL-001試験/TRANSCEND FL試験)の結果に基づくもの。
同試験において、3次治療以降で同剤が投与された濾胞性リンパ腫患者(コホート1及びコホート2)の有効性解析対象集団101例(日本人 8 例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合[95%CI]は97.0%[91.6-99.4]であり、閾値60%に対して統計的に有意であった。
また、コホート1及びコホート2 の日本人集団8例の全奏効割合[95%CI]は 100% [63.1, 100]であった。
同試験において、2次治療で同剤が投与された高リスク濾胞性リンパ腫患者(コホート3)の有効性解析対象集団23例(日本人1例を含む)について、主要評価項目とされた全奏効割合[95%CI]は 95.7%[78.1, 99.9]であり、閾値50%に対して統計的に有意であった。なお、日本人1例でも奏効が認められた。
安全性プロファイルは、これまでに報告されているものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
◆杉田真BMS研究開発本部長のコメント
今回、高リスクの2次および3次治療以降の濾胞性リンパ腫(グレード 1、2、3A)の承認により、すべてのグレードの濾胞性リンパ腫患者さんに CART細胞療法という新たな治療選択肢が提供できることを嬉しく思う。
健康に最も深刻な影響を及ぼすがんという疾患の複雑性、多様性、絶えず変化する性質に対応し、今後も深刻な病気を抱える患者さんの人生に違いをもたらすために、革新的な治療法の研究開発を進めていく。