武田薬品は7日、企業情報化協会(IT協会)主催の 2021 年度「IT 賞」において、トランスフォーメーション領域で IT 奨励賞を受賞したと発表した。
IT賞は、国内の産業界ならびに行政機関などの業務における事業創造、効果的ビジネスモデルの構築・促進など、「IT を高度に活用したビジネス革新」に顕著な努力を払い、成果をあげたと認めうる企業・団体をIT協会が選定して表彰するもの。
武田薬品が受賞した IT 奨励賞(トランスフォーメーション領域)は、事業・組織のあり方を変えるデジタルトランスフォーメーションへの取組みによって ITをビジネスや組織経営の根幹にしていくような変革の取り組みを評価するカテゴリーだ。
武田薬品は、データとデジタルの力でのイノベーション惹起を約束として掲げ、様々な取り組みを進めている。
例えば、新型コロナウイルス感染症の治療薬を研究するために他社と立ち上げたプロジェクト用に、クラウドを用いた安全なデータ共有および臨床試験推進プラットフォームを通常複数か月かかるものを 5日足らずで構築した。
血漿分画製剤事業においては、過去と現在のデータソースをクラウドに移行しハードウェアを更改することで、プロセス改善・業務効率化だけでなく電力消費と二酸化炭素排出量の削減に繋げている。
また、山口県光工場では製造業務における人工知能(AI)や無菌操作のための VR トレーニングを導入している。
今回の受賞においては、理想的な働き方の実現のための取り組みや、社内横断的な自動化の迅速な普及および規模拡大による効率化の推進が評価された。
シンプルで革新的な同社のソリューションは、従業員により魅力的な体験を提供しており、デジタルトランスフォーメーションの重要な施策の一つである定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)においては、2020年4月から本格的に取り組みを開始している。
その成果として38万5000時間分の業務時間削減を達成し、生産性の向上につなげることができた。 主な取り組みと成果は、次の通りです。
1、Automation Ninjaプログラム
従業員が自ら、定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)のソフトウェアを開発する研修プログラムである。同プログラムでは、RPA概論やUiPathStudioX開発コースから始まり、最終的には自動化のターゲットを開発していくまでの5つのレベルを設定している。2020年4月から9カ月の間に計7回実施された研修プログラムにおいて1700名の従業員がトレーニングを受講しており、そのうち350人以上が現在の最上位レベルである自動化のターゲットを開発可能な能力を有するデジタルチャンピオン(Artisan)の段位を取得している。
2、Rikonaソリューション投資家および規制当局への開示報告を変革するインベスターリレーションズのソリューションは、開示報告プロセスの一部の自動化を可能にしている。この導入により、四半期あたり約200時間を節約、投資家体験の改善、開示報告プロセスのみならず、他の業務プロセスにおける応用の可能性を秘めている。
3、 在庫配分ロボットDinoサプライチェーンにおけるボットは、患者のために安定した医薬品供給を保証すべく、製品配分の最適化をスピードアップしている。流通の最適化、規模拡大の可能性を秘めている。
- データとデジタルを活用した理想的な働き方の実現 機械学習を活用したデジタル請求書管理による請求書支払プロセスの簡素化
人工知能を活用した経費管理ソリューションの導入
自社開発の財務データソリューションにより意思決定に必要なインサイトを提